だからプレイヤーへの情報公開ないがしろにしてゲームイベントを定期考査にするのやめろって
次のイベントではこれをやります。この条件に沿うように育成しましょう。だめ? ハイ失格。なぜだめだったかは自分で考えてきましょう。今あなたがゲームで保有している資産は無価値です! 次までに1からやり直し!
と運営は言っている。何言ってない? ではどういう意図であったか言わないといけない。「無能で十分説明されることに悪意を見出すな」というためには無能である情報を出してもらわないといけない。リアルタイムアップデートを行うゲーム運営は意図や情報を公開してプレイヤーとコミュニケーションを取らなければならなくなった。運営が無謬でも神でもなくできることとできないことがある存在であるかを具体的に伝えるコミュニケーション(リスク・コミュニケーション)を嫌でも取らないといけなくなった。いや本当に嫌でも取らなきゃいけなくなったのよ。
オンラインゲーム運営は基本的に”無能”
実は今ゲームは大変な状況にある。ウマ娘は800万ダウンロード*1と言われているけれども、割り引いて割り引いて50万人くらいとしておこう。そうすると要するに政令指定都市レベルの人口。浜松市や相模原市、アイスランドと似たりよったりの人口に対して情報発信やサービスを提供しているわけとなる。ちょっとゾッとする。つまりバズったゲーム運営の運営はちょっとした地方都市の首長とかそういう感じだってこと。しかも国際的な。この辺わかってなさそうなDbD運営(プレイヤー数3,500万人*2)とかいるけど。
そんな多種多様なプレイヤー相手に限られた期間、限られた予算、すでに実装されたシステムとの整合性、そして何より有象無象の多種多様なプレイヤー数。確実に面白いと詰めきれる暇も確信もなくお出しするしかなくなる。そしてバグるスベる。そもそもこんな不確定な商法に対応できる運営は存在し得ない。つまりこの商法において運営は基本的に無能だ。大なり小なり絶対にやらかす。そしてやらかそうがどうだろうが商法としてチャレンジしなければならない。何もしないということは許されない。あの天下の任天堂ですらシャレにならないバグを繰り返す有様だというのに、どうして完璧な運営ができるだろうか。なのに運営は時に来週何が起こるかすら言わない。プレイヤーは先行き不確実な状況で過ごすことを強いられてしまう。
automaton-media.com これは有事の不確実な状況下*3とほぼ同じものだ。科学的根拠たるもの数年以上の時間を要するやら色々複雑に絡み合ってるやらのため、いきおいどうしても見切り発車で行動しなければならない。ならはじめから無能さ(できることできないこと)も含めて情報を公開しておいて心構えをしてもらうことで、狙っていない状況でプレイヤーを不確実な状況に置かないことが大事になる(お笑い芸人の言うところの取扱説明書)。キャラの追加に結構お時間かかりますが、当初想定してた需要と外れてしまいました。でも実装するしかありませんって、最初から言うのと黙ってて見透かされるのとではどっちのほうが印象悪いかって話。最近でいうとバイオハザード8のCM。
www.youtube.com 「カプコンが怖いのが嫌な客に日和って7より怖くなくした」という大炎上まったなし案件だったが、先に言ってしまうことである程度回避できたと言える。見通しの悪さによる不安から悪意に取る人々は生まれてくる。不確実な状況下では、人間は一見意味不明な思考になる。
まあぶっちゃけ下の二冊読むほうが一番早いと思います。
情報公開をしないからプレイヤーの合理が違う合理になる
運営はお楽しみのためか、未決定のためか、いらぬ勘ぐりをされたくないためか、プレイヤーがリスクを選択するために情報公開が必要なことを忘れる。この先へ進むべきか戻るべきか。不確実な状況に置かれる(リスク状況下、有事下)。エリクサーを使う際、不確実な先行きを勘案して使わないという選択肢を取ることもある。そうやってエリクサーは腐っていくし、換金アイテムは死蔵される。損は嫌。これはプロスペクト理論*4と呼ばれる。だから不確実な状況に狙ってないのにプレイヤーを置かないことが大事。
こういう不確実な状況における人のこころのはたらきは普段の合理とは違う合理になってしまって。例えばプロスペクト理論によると低い確率は過大評価するまた高い確率は過小評価される傾向がある*5。すると
「ワクチンを打ってバ美肉する確率は非常に低いです」
という受け止められ方をされる。ため、不確実な状況に置かれたプレイヤーは、
「SSR提供割合は3%です」
「これって…確率高いのにいくら引いても出ないおかしなガチャってコト!?」*7
そんなバカなと思いたくもなるがこういう事はある。時に商法の外道とも言うべきガチャが存在する。ガチャというのがそもそも、不確実な状況下で先に登場する直感的・感情的で「早い」判断*8を利用して集金する手法なのだが、この判断中に何か手渡して手を引かせないと、続く理性的・計画的で「遅い」判断が出てきてしまう。こうなると当たり前だが低確率のガチャなんて引くわけがない。いわゆる「萎え」。なんでこんな商売しようと思った! 言え! 残るのはただ肉染み。
でも考えてほしい。サポートカードは揃わない。凸だって重ならない。なのにチャンピオンズミーティングで煽ってくる。配布スペはいつ復刻される? 今後何が実装される? わからないからガチャを引く。引いたら引いたで肉は染む。狙ってやってる運営かもだが、不安と不信がただ積もる。
こういう事態を避けたければプレイヤーを不確実な状況に置かないことが大事。よく、ソシャゲ運営は最初良くてもだんだんダメになるというが、これは期待から不確実性に目をつむっていたプレイヤーのこころが不信に変わったワケで、最初からやむを得ない無能だっただけ。はじめからある程度できることできないことこれからのことを話しておけばまあマシにはなる。これは別件でやりたいが、ウマ娘運営は一切その姿を表さないがために不確実性を増していくばかりで、
- ポータルサイトのウマ娘の実装がいつ完了するのか
- 星1、2の実装は今後あるのか
- ガチャピンのようなイベントはあるのか
- 育成以外のコンテンツは実装するのかあるとすればいつか
- チームレースはそもそも何のためにあるのか
- チャンピオンズミーティングはどういうつもりで実装したのか
- 短距離ダートの需要を喚起しておいて供給はいつになるのか
- 育成に時間かかるのにチャンピオンズ・ミーティングの詳細が明かされるまで期間がない
隠して隠して隠しきって腕を組むのはまあ良いとして、不確実状況下にプレイヤーを置くとどうなるか・・・。
イベントが義務になる
損はしたくない。参加しないことがデメリットに感じる場合もある。ソシャゲについてはその傾向が強いだろう。色々言われていた中配布スペシャルウィークを取っておいてよかったと思う人も少なくないだろう。今後何があるのか、参加しておいたほうがいいのか、参加しないならしないで他に何をすればいいのか。はいこれでイベントが定期考査になりました。
出たら崩壊とか、入れなくなるとかが怖くて、タイムリミットがない場合は隅々まで見ますし、ボス部屋と気づいたら後まわしにますよ。
FO3のエンクレイブの基地なんか、目一杯アイテム拾いして歩いて帰りましたからね。*9
チャンピオンズ・ミーティングが何のためにやってるのかわからないけどこういう感じで義務化している。無差別級と体重別階級の2つに参加させられて、自分の育成がただ否定されて、今までのゲーム資産の価値を下げられる。という無残。そういえばイベントの勲章が資源に変えられるゲームがあったような。
しかも、今の所対人戦か育成しかないため、これまたリスク状況下の合理が働いて、育成においては対人戦で使えないキャラは無価値判定される。そんなつもりはなかろうと構造的にそうなっているのだ。将来的にそうでない状況を実装する予定であると明示されなければ、今手持ちの資産が全部無価値化するので、ゲームを辞めてしまうだけならまだしも、運営に肉染みを覚えることになる。どうしてこうなった。
言ってしまえば、個々人相手にサービスがスベっている。いっつのっとふぉーみー。それはアップデートのかかるオンラインゲームの場合仕方のないことだ。問題はこれが不確実な状況だと義務化する。ばっといっつゆあでゅーてぃー。これ今後のスケジュール公開すればいいだけなんだけどね。
1年経ったソシャゲは普通スケジュールが見通せるようになるから安定化するのだけど、まだ一年経っていないウマ娘も不確実。だからロードマップや実装予定はさっさと公開しましょう。変更があるんならあるでいいましょう。何? それで儲からなかったらどうする? そもそも隠してウケるほどのネタ、やれること限られてるソシャゲにないでしょ。隠してスベって誰か責任取ってくれてたの?
隠すということは結構高いリスクを取ってるってことを理解してほしい。絶対にスベらない自信があるんですね? どこかの動画サイト運営じゃあるまいし*10 。いやどっちかって言うとアイマス運営か。 というかビンゴでスベったよね? はっきり言って仕様も先行して全公開して意見聞いたほうがいいくらいのこともうやっちゃったよね?
www.nicovideo.jp ウマ娘は実装計画隠してかなりスベっていることに気づいてほしい。というか今やってるネストだけれど、多分ウマ娘の実装労力だとおおよそ計画から半年以上はかかってると思うから、おそらくサービス開始前後からの考えだと思う。ぜひとも運営に置かれましては今の空気にあってると思って実装しているかどうか語っていただきたいところ。言ってしまうと衣装別キャラ自体が将来仕様の先食い(キャラ特徴の幅がもたせられない仕様だし)の上に一般的にスキンは買い切り。おまけにスキンって長々使いたいと思うものではないのよ。勝負服で体操服の中走らせてたらいたたまれないよ? はいそこで隠して隠して新規実装は別衣装です! まあスベって当たり前でウケたら奇跡。おスベり構造で推しが実装されたプレイヤーの気持ちにもなってほしい。他の待っているキャラを優先しておスベリシナリオ実装したら実質以上に叩かれるでしょうよそら。サービス開始前に考えたイベントなんですとか言って情報公開しておけば生温い受け止め方くらいはされたかもだけど。
情報公開をしないから運営の合理も違う合理になる
もちろん運営もまたウケるウケないの不確実な情報に悩まされる。当然ゲームに悪影響なことを与えることを恐れに恐れて、プレイヤーのための行動を全く出さない*11という選択肢を取る。また別のテーマにしたいが、いわゆる「簡悔精神」というものがこれになる。気前よくプレイヤーを喜ばせたほうが利益は大きいのだが、損を恐れて回避しようとして結果損をしている。だからサポカは4凸さらにガチャを分けてその上渋るくせに配布石も渋るという何をしたいかわからないことになる。何? 儲かってるからいい? はは、それこそ正に商法の外道だよ。エンターテイメントギャンブルであるからこそ、お金を払ってもあげないというガチャをただの肉染み集金装置にしてしまうことを外道と言わずなんという。渋いという定評を得た時点でそのガチャは萎えどころまで届かせてしまっているので、絶対に見直そう。せめて気前よく見せろせめて。情報も石もキャラもサポカも。絞るところだけきっちり絞って。なに創建ウン十年の大企業みたいな硬直化してんの。
特にウマは星1、2実装については深刻に捉えてほしい。これは一気に運営への不信を稼ぎ出す危険性を持ってることに気づいてほしい。何のために基本無料サービスやってんだよ。ヒエッヒエ空気をちょっとは感じてほしい。ポータルのキャラクター全実装するの、黙って3年とかかかったらキレられても文句言えんよ? 何年もかかる計画ならもうはじめから言お? もう作ってあるからここまでは当初予定でこうなりますとか言わないとやることも少なくて手間もかかるシステムしておいてまさかみんな黙って付き合ってくれるとでも思ってる? ビンゴでスベってまだそんなこと思ってる?
ソシャゲはやれること限られてるんだから運営は仕方のない無能なの。だから隠匿して完璧に楽しませるなんて不可能なの。なのにその仕方のない無能を開示しなかったら信頼を失うし最悪ヘイト買うよ。不確実な状況に人を置きすぎると人間のこころの働きは意味不明になるからね。
だから年単位のロードマップを示そう。ここぞという時の隠し玉以外は情報公開しよう。
innersloth.itch.iowww.thelongdark.com この程度である程度不確実性は収まる。別にいいたくないことは言わなくていい。いいたくないとだけ言えばいい。一時的に離れるって人もタイミングを見て戻りやすくなるんだけどね。え? 情報公開してサービス終了しなければいけなくなったらどうする? それ今都合のいいことばかり言って唐突にサ終してる現状となんか違いあるの?
あ、ちなみに
こんな小偉そうな事言いましたがぼくのツイッターいいね欄はえっちぃ絵ばっかりですよろしくおねがいします。
*1:『ウマ娘 プリティーダービー』の勢い止まらずついに800万ダウンロードを突破!ガチャ10連分にあたる1500ジュエルもプレゼント(IGN JAPAN) - Yahoo!ニュース
*2:『Dead by Daylight』5周年を飾る『バイオハザード』チャプターが6月16日より配信。サバイバーはレオンとジル、キラーはネメシスに - ファミ通.com
*4:カスタマー心理を突いたプロスペクト理論とは?事例も合わせて紹介
*6:微小確率の過大評価 HPVワクチンの副反応はなぜ恐い?(平井啓) | 2017年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
*7:微小確率の過大評価 HPVワクチンの副反応はなぜ恐い?(平井啓) | 2017年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院
*8:https://www.tsukubabank.co.jp/corporate/info/monthlyreport/pdf/2018/04/201804_05.pdf
*9:【チョイス】「あなたはダンジョンを… 隅々まで探索? 目標に直行?」結果発表 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト
*10:「niconico(く)」発表会、現地の記者はどう見たか 大炎上を登壇者らと見つめる“永遠とも思える2時間” - ねとらぼ
*11:CiNii 論文 - リスク情報開示ゲームの提案--行政のリスク情報開示と住民の満足化に関するゲーム理論による分析